鉄筋挿入工の管理業務において直面する課題

安全性の課題

  • 法面工事での危険な撮影・確認管理作業
  • 高所作業によるリスク増大
  • 熟練作業員の高齢化と人手不足

効率性の課題

  • 出来形写真管理の負担
    鉄筋挿入工は、全数出来形写真管理を求められる場面が多くを占めます
  • 管理者の精神的・肉体的負担の増大
  • 施工後の品質確認の困難さ

信頼性の課題

  • 不可視部分の品質保証の難しさ
  • 施工品質の客観的証明の必要性
  • 会計検査での指摘事例
    過去、補強材切断による出来形不足などの事象が報告されています

これらの課題を解決する技術が求められています

技術イノベーション

全数管理から非破壊による抽出管理へ
品質管理のパラダイムシフト

現在、鉄筋挿入工の出来形管理は、全箇所での削孔長・補強材配置角度測定および写真管理と、管理者にとって大きな負担になっています。

非破壊技術を用いたNNDシステムは「非破壊」による抽出管理とすることで、施工品質の全数管理に近い形での確認を可能とします。

高精度測定を実現する超音波技術

鉄筋挿入補強材特有のネジ節形状に起因する超音波の乱反射を低減させるノイズフィルター技術により、複雑(ネジ節)な形状の鋼材においても、飛躍的に検出率を向上させました。

技術的優位性

  • Wi-Fi遠隔操作
    安全な場所からの測定が可能
  • 長時間稼働
    連続5時間の使用が可能
  • 軽量設計
    実装3kg以下で持ち運びが容易
  • 操作性
    タッチパネルで高い操作

プロセスイノベーション

施工管理プロセスの革新

従来の方法
削孔←┐
補強材挿入1本毎に繰り返し
ロープ足場での測定・撮影作業─┘
全数出来形管理
紙ベースの記録
NND導入後
削孔
補強材挿入
安全な場所からの測定
任意抽出による代替管理
デジタルデータ記録
POINT

プロセス変革のポイント

  • 危険作業の撤廃
    ロープ足場での撮影作業が不要に
  • 作業効率化
    全数管理から抽出管理へ転換
  • デジタル化
    紙ベースからデータベース管理へ

NNDがもたらす3つの革新

安全性の革新

  • Wi-Fi遠隔操作による安全な場所からの測定
  • 危険な法面作業の削減
  • 管理者の安全確保

効率性の革新

  • 検査工数の大幅削減(約60%)
  • 管理者の負担軽減
  • 作業の連続性確保による工期短縮効果

信頼性の革新

  • 客観的データによる品質の可視化
  • 国土交通省・NEXCO基準への準拠
  • 発注者と施工者間の信頼構築
  • 不良工事に対する抑止効果

市場・社会的価値

市場へのインパクト

  • 新たな市場の創造
    「施工後の非破壊品質検査」という新市場を開拓
    NETIS・静岡県・広島県技術登録による公的認知と信頼性の確立
  • 業界標準の確立
    国土交通省・NEXCO基準への準拠
    品質を核とした健全な競争環境の醸成

社会への貢献

  • 安全なインフラの構築
    道路法面やトンネル、橋梁などの安全性向上
    災害に強い国土づくりへの貢献
  • 持続可能な社会への貢献
    破壊検査に伴う廃棄物の削減
    効率的な施工管理による工期短縮と環境負荷低減
    SDGs(持続可能な開発目標)達成への貢献

社会インフラの安全性向上

従来
不可視部分の品質不確実
事後対応型の維持管理
NND導入後
施工後、全数に近い品質確認
予防保全型の維持管理

DXとの融合と未来展望

NNDによるDX推進フェーズ

データ化(Digitization)

施工データをアナログ記録からデジタルデータへ変換

測定結果の電子化と標準フォーマット化

連携(Digitalization)

測定データをBIM/CIMと連携させ、トレーサビリティを確保

クラウド上でのデータ共有と一元管理

将来展望

予測分析モデル

環境条件や材料特性に基づく劣化進行予測モデルの構築と最適保全計画の自動生成

変革(Digital Transformation)

蓄積されたデータをAIが解析し、劣化予測や予知保全を実現

データ駆動型の次世代インフラ維持管理へ

導入効果

期待される効果

  • 安全性の向上
    高所・危険箇所作業を半減させ、労働災害リスクを大幅低減
  • 効率性の向上
    検査工数を削減し、現場管理者の負担を軽減
    全体工期の短縮による生産性向上
  • 信頼性の向上
    客観的データによる品質証明で発注者からの信頼獲得
    会計検査等への説明責任を果たす
  • 経済性の向上
    手戻り防止によるコスト削減
    適切な維持管理によるライフサイクルコストの低減

まとめ

技術イノベーション

  • 非破壊による品質管理のパラダイムシフト
  • 独自のノイズフィルター技術による高精度測定
  • Wi-Fiによる遠隔操作

プロセスイノベーション

  • 安全性・効率性・信頼性の同時向上
  • 危険作業の撤廃と作業効率化
  • 客観的データによる品質の可視化

市場・社会的価値

  • 新たな市場の創造と業界標準の確立
  • 安全なインフラ構築への貢献
  • 持続可能な社会の実現

TESHICKが拓く建設業界の未来

非破壊による鉄筋挿入工根入長さ測定システムNNDは、建設現場の安全性・効率性・信頼性の向上を同時に実現する技術です。

鉄筋挿入工非破壊調査研究会TESHICKは、非破壊技術による鉄筋挿入工の管理技術普及のほか、測定システムNNDの運用に必要な知識とスキルを習得できる教育・認定プログラムを提供しております。

私たちは、NNDの運用を通して、施工管理のデジタル化と品質の可視化を進め、業界標準の確立や持続可能な社会インフラの構築に貢献いたします。

建設現場の未来を拓く、安全性・効率性・信頼性の向上